
八方良し! 福が舞い込む「〇〇神社」のご案内

1.春こそご参拝の季節!
穏やかな気候にさまざまな花が咲きそろう春は、名所古刹巡りに絶好の季節!京都や島根などの有名な神社仏閣も素敵ですが、地方の知る人ぞ知る小さな神社にも他にはない独自のご利益を持つものがあります。新しい生活が始まる人も多いであろう新年度に合わせて、今回は一風変わったご利益のあるマニアックな神社をご紹介いたします!
2.兵庫県と宮城県、共通の名産とは?
突然ですが、近畿地方の兵庫県と東北地方の宮城県、遠く離れたこの二県に共通の名産物があるってご存じですか?
答えは……、なんと「タコ(蛸)」なんです!
昔から最高級品のタコが取れる地域として、「東の志津川、西の明石」と並び評されてきた東の雄、宮城県の三陸地方にはその「タコ」を祭る神社が存在します。
3.「タコ」を祭る神様!?
「タコ」をお祭りする神社、その名もずばり「八万多幸(はちまんたこう)神社」!
人々に末広がりの幸せを与えるとともに、八百万のタコの長寿と繁栄を願う神社です。
……そんなに増えたら太平洋のリソースが不安になってきますが、この世に日本人がいる限りまあ心配はいらないでしょう。
4.いざ、「タコ神社」へ!
穏やかな三陸の海を臨む気仙沼線の沿線にその最寄り駅はあります。
鮮魚店には美味しそうなタコののぼりがはためいていますが、今回タコの神様をお参りする都合上ここはぐっと我慢です。
神使(神様のお使い)はもちろん真っ赤っかな「タコ」。
神社の境内に不思議な貫録をもって鎮座しています。不埒な行為を働くとすぐさま真っ黒い墨を吐かれそうな緊張感。やはりタコを食べてこなくて正解でした。
境内は大海原のように広々と清廉で気持ちの良い空気に包まれています。恐らくイカ派の人がご参拝しても温かく迎えてくれることでしょう。
ただし「やっぱりタコは明石だよね~」などと不用意な発言をすると地域住民から白い目を向けられるかもしれませんのでくれぐれもご注意を。
5.「タコ神社」のご利益
ご利益はタコの足の数から末広がりの八にちなんで勝運招来、商売繁盛、心願成就、タコが大切に子供を守り育てることから安産、子孫繁栄、吸盤が相手を離さないことから縁結び、良縁成就、タコが墨を吐いて敵を遠ざけることから厄災・悪病・災難除けとバラエティに富んでいます。最近では「置くとパスする」オクトパス、という語呂合わせから合格祈願や必勝出世のお願いをする人も増えているとか。タコのパワー、侮れません!
6.おみくじと御朱印
折角来たのでおみくじを引いていくことにします。見た目は普通のおみくじですね。
そこに書かれてあるご託宣もやっぱり普通……、じゃなかった!
「このみくじにあたる人はよろずタコのたすけを得べし 八方より幸福まゐりて身を離れぬこと吸盤のごとし タコを食はねばますますよろし」
なんと、おみくじもやはりタコにちなんだ見タコともない内容ではありませんか!
内容的には大吉に近い感じですが……。でも今後一生タコが食べられないのは困りますね。さくさく枝に結んでリセットすることにしましょう。
御朱印もタコがど真ん中で寛いでいるデザインです。これでいつでも自宅でタコの神様を感じることができますね。
7.終わりに
ご参拝を終え、帰りにようやく海鮮丼を頂くことができました。
お店の人に「タコの神様の近くで海鮮丼なんて、罰が当たりませんか?」と聞いたところ、
「タコの神様? いやあそごは普通の八幡神社だべっちゃ~、タコを神様にしちゃっちゃ俺ら商売できなくなんべ(笑)」
「あ~それはそうですよね~! いや~それにしても志津川のタコ最高です!! タコ刺しおかわり!」
……はい!
ではここでネタばらしタイムです!
すみません、実はここまで全部エイプリルフールの噓でございました!
「八万多幸神社」なる神社は(多分)存在しません!
信じてしまった方がいらっしゃったら誠に申し訳ございません。
ですが宮城のタコが美味しいのは事実なので、来たるべき夏にはぜひ明石と志津川のタコを食べ比べてみてください。タコの吸盤がきっと良いご縁を強力に引っ張ってきてくれる……筈です!
8.参考
とはいえタコの御朱印やお守り、「オクトパス君」がいる神社は実在し、受験生の厚い信仰を集めているのは本当です。タコがお好きでぜひ御朱印を入手したいという方は、以下の神社へ問い合わせてみてください。遠方の方には郵送対応もしてくださいますよ!
住所:
宮城県本吉郡南三陸町入谷字水口沢243
アクセス:
三陸沿岸道路志津川インターチェンジから車5分
※なお、今回の記事はすべて個人の創作です。上記の神社にはご迷惑をおかけしないようくれぐれもお願い申し上げます。