
鬼子母神寺、通称「〇〇ぱい寺」へ!

新しい春の始まり、始まり。
皆様、こんにちは! 寺社仏閣ライターの容疑者Yです!
いよいよ明日から新年度。
学び舎を後にして、社会人へ。
異動や転勤で、新天地へ。
新しい一歩を踏み出す方も、多くいらっしゃるでしょう。
新しい生活に胸を躍らせている方も、
ちょっぴり不安で憂鬱な人も、
考え事はいったん横に置いて、今は少しブレイクしてみませんか?
まずは、頭の体操に難読漢字クーイズッ!
「四月一日」と書いて、何と読むでしょうか?
「しがつ ついたち」では、ありませんよ!
チッチッチッチ――(時の経過音♪)
正解は、「わたぬき」です。
昔、古の人々は、四月一日に綿入れの着物の綿を抜いて、衣替えをしていました。
そのことから、四月一日を「わたぬき」と言うようになったそうです。
分厚いコートを脱ぎ捨てて、身も心も軽くなったならば、今度は夢を膨らませてみませんか?
夢いっぱい、胸いっぱい!
柔らかな陽ざしが降り注ぐ、春の日。貴方が夢見るものは、何でしょうか?
いつ誰が来ても片付いている、綺麗な家!
誰かが作ってくれる、愛情たっぷりのご飯!
大金! 不死身の体! 誰もが振り返る美貌!
人の数だけ、夢があるでしょう。
今日はその中から、老若男女が大好きな「アレ」をお祀りしている寺院をリポート!
『アレって、な~に?』
無邪気に首を傾げた皆様。
大きければ大きいほど良いとされる(?)アレですよ!
思わず赤面された皆様。
顔を赤らめる必要はありませんよ!
筆者は真面目にリポートしていきますので、是非とも真顔で付いて来て下さいな!
いざ行かん!鬼子母神寺、通称「おっぱい寺」へ!
鬼子母神寺があるのは、京都の奥座敷とも言われる貴船エリア。
古くから人々が癒しや涼を求めて訪れた場所です。
貴船エリアにおいて、もっとも人気のパワースポットは貴船神社でしょうか。
貴船神社は、水を司る神様・水神をお祀りしている神社です。
また、平安時代の女流歌人・和泉式部が夫との復縁を祈ったことでも知られ、
縁結びの神様としても信仰されています。
貴船神社よりも、更に十五分ほど森の中へ歩みを進めて参ります。
すると、鬱蒼とした緑の中に、小さな山門が見えてきます。
それこそが、鬼子母神寺の入口です。
ただし、この山門は深い緑に包まれており、見落としてしまう方も多くいらっしゃるそう。
そんな経緯から「真心を持った参拝者にだけ、門戸が開かれる」とまで言われているそうですよ!
さて、さっそく中に入っていきましょう。
山門をくぐると、目前に本堂があります。
境内はさほど広くはなく、入ってすぐの場所に手水舎があります。
◆見どころ① 御本尊 如意輪観音坐像
鬼子母神寺は、応仁元年に開祖された由緒正しい寺院。
御本尊は、この時代にしては珍しい乾漆造の如意輪観音坐像です。
乾漆造と聞いて、イメージが浮かぶでしょうか。
乾漆とは、漆塗りの技法です。漆を原材料とした粘土を使って作品を造ります。
自由に形を創造できることから、表情豊かな面相、柔らかな着衣などの表現が可能となります。
代表作としては、興福寺の阿修羅像。
阿修羅像は少年を思わせる細身の体躯ですが、鬼子母神寺の如意輪観音坐像は正反対。
丸みを帯びた肉感的な造りです。
特に、見る者を圧倒するのが、如意輪観音坐像の豊満なお胸。
まるでメロンのようなサイズ感なのです。
また、細く長い両方の手が、乳房を下から支えるように添えられており、
お胸の存在感に拍車をかけています。
鬼子母神寺の如意輪観音坐像は、通常、非公開とされていますが、八月の第一土曜日と日曜日に開扉されます。開扉に合わせて、納涼盆踊り大会も開催されるそうですよ。
◆見どころ② 京都府指定文化財 母乳松
本堂への参拝が終わったら、次に見ていただきたいのが、母乳松。
何と根っこが繋がっている二本の松があるのです。
母乳松には、次のような伝説があります。
母乳松の伝説とは?
今は昔、都の動乱から逃れるため、身重の女が一人、貴船に辿り着いた。
しかし女は沢山歩いたせいもあり、まだ月が満ちていなかったのに、突然産気づいた。
産まれた赤子は力が弱く、上手く母乳に吸い付くことができなかった。
女の胸はどんどん大きく膨らみ、痛みを伴った。
女は熱を出し、うなされていると、一人の老婆が現れた。
お前の乳を、鬼子母神寺の松にくれてやると治るだろう。
女は乳を絞り出し、鬼子母神寺の松の根元に流した。
すると、胸の痛みはスッとひいていき、女の胸は元通りになった。
以後、母乳松はお乳の悩みを叶えてくれるという噂が広まり、祈願に訪れる女性で溢れるようになった。
◆見どころ③ おっぱいの石
本堂の裏に回ると、川のせせらぎが聞こえてきます。
貴船川の分流が、すぐ近くを流れているためです。
川に降りていく道の途中に、小さなお堂があります。
中には鏡餅サイズの石が二つ、安置されているのですが、それこそが、おっぱいの石。
ありとあらゆる胸の悩みを解消してくれる、とてもありがたい石です。
恋人を虜にするグラマラスな胸になりたい。
水着を着た時に誇れる、カッコいい形になりたい。
加齢と共に垂れ下がってくるのを何とか食い止めたい。
人それぞれ、悩みがあるかと思います。
悩み事をスッキリと解決するには、石を時計方向に三回、撫でなければなりません。
ちょっと恥ずかしいかもしれませんが、本堂の裏手には、ほとんど人もいませんよ!
厳粛な気持ちで是非トライしてみてくださいね。
うまい話には、ウラがある!? 鬼子母神寺の秘密
鬼子母神寺は、胸に関するご利益がいっぱい!
『鬼子母神寺なんて、聞いたこともないし、嘘くさい内容だなと思ったけれど、面白かったよ!』とお思いの皆様。
なかなか鋭い視点を持っていらっしゃいます。もう少し何かに気が付きませんか?
ちょっと冒頭を振り返ってみましょう。
唐突に始まった難読漢字クイズ。四月一日は、何と読むのでしたか?
『わたぬきでしょう?』
そんな声が聞こえてきそうですが、ちょっと待ってください。
「しがつ ついたち」とも読めますよね。
むしろ「しがつ ついたち」こそ、標準的な読み方であります。
もうお気付きでしょうか?
そう、四月一日はエイプリルフール。
つまり、この記事のリポートは、噓ぴょーん!!!なのです!!!!!
『貴様、騙したな。いったい、何者じゃ!?』
驚かれている皆様。
申し遅れました! 容疑者Y改め、お馴染みのライター・夕顔です。
『エェ、あの思わせぶりな松と川の写真は何だったの?』
拍子抜けされている皆様。
松のお写真をよ~く、ご覧ください。しめ縄をつけていますよね。
こちらのお写真、お寺ではなくて神社(宮崎県にある高千穂神社の夫婦杉)です!
また、川のお写真につきましても、宮崎県の天岩戸神社で撮影したもの。
おそらく、二枚のお写真で嘘に気が付いた方も、いらっしゃるのではないでしょうか?
『忙しい時期に、無駄な時を過ごしてしまった。時間を返してくれ!』
まだ怒りの止まない皆様。
決して損はさせませんよ。
もう少しだけ、辛抱強くお付き合いください。
嘘から出た誠? 誠から出た嘘?
実は「おっぱい観音」という名で親しまれている寺院があるのです!
場所は愛知県小牧市。その名も、間々観音(ままかんのん)。
地元では、「おっぱい観音」の名で親しまれているそうです。
調べてみますと、間々観音の境内は何もかも、おっぱいづくし。
まずは手水舎のモチーフが、おっぱい。
お乳の形をした石像の乳首部分からお水が出てくるのだとか。
(手を洗いたいような、洗いたくないような……)
他にも、絵馬にも、おっぱいの模様。香炉にも、おっぱいの彫刻。
おっぱいが、夢にまで出てきそうな調子なのです。
ご利益は授乳の願い、お乳のお願い(!)というユニークなものから、
安産、縁結び、開運、厄除といったスタンダードなものまで、幅広くカバーしているのです!
これはもう、詣でるしかない!!
普段、性にまつわる話題については、なかなか口に出しづらい雰囲気がありますよね。
筆者だって、日々の暮らしで、「おっぱい」なんてワード、発したことはありませんよ!
だけれども、一方で、性とは誰もが身近に抱えている問題でもあります。
実際、間々観音を参拝された方の写真などを拝見すると、
カラっとしたユーモアを感じて、力が湧いてくるのです。
架空の寺院についてのリポートと種明かしは、これにて終了!
お楽しみいただけましたか?
想像力は、創造力!
かの有名なアインシュタイン博士も、想像力は知識よりも大切だと説いていますし、
ジョン・レノンだって、「イマジン……イマジン……」と、歌っていますよね。
皆様も想像の翼を広げて、新しい生活へと羽ばたいて行ってくださいね!