※文章中の画像をクリックすると拡大画像が表示されます。
執筆者:夕顔
交通安全観世音菩薩特集

そうだ、お地蔵様参りに行こう。

執筆者:夕顔
執筆者:夕顔

桃の蕾が膨らみ、いよいよ本格的な春が近づいてきましたね。
4月と言えば、進学や進級で、環境が大きく変化する季節。
我が家も娘たちの転園が決定して、
「どうやって通園しよう?」と今更ながらドキドキ。

歩いていけなくもないけれど、朝は時間に追われるよなぁ。
一番便利なのは自転車だけど、娘二人を乗せて、自転車をこげるかなぁ?
雨の日はバスに乗った方が良いだろうけど、待つのは面倒だなぁ。

段取りの悪い筆者は、交通手段を決めかねていますが、
何よりも大切なのは、安全であること!

そういえば全国各地に「交通安全観世音菩薩」があるそうだけど、
近くにはあるのかしら?

気になって調べてみたところ、残念ながら近隣にはなさそう。
ただし「交通安全地蔵尊」なら、あるかも!?

インターネットで情報収集をしてみたところ、
練馬の三宝寺に「交通安全地蔵尊」が存在することが明らかに!
ただし、よくよく調べてみても、お寺の公式ホームページが見当たりません。

参拝した方のブログを読む限り、とても広いお寺であると読み取れるので、
行き当たりばったりで「交通安全地蔵尊」を見つけられるのかな?
少し不安でしたが、思い立ったが吉日。
家族全員で「交通安全地蔵尊」にお参りしてきました!

行くぜ、三宝寺。

まずは自宅から西武新宿線の上石神井駅に到達。
グーグルマップによると、「みどりバス」に乗るように表示されるけれど・・・・・・。
「みどりバス」って何だ?! 乗ったこと、ないな・・・・・・。

上石神井駅北口周辺にバスが停車できそうな場所は
1か所しか、ありません。
さっそくバス停に行ってみると、関東バス、西武バスと同じ停車場に、
「みどりバス」の時刻表もありました!
が、一目見て、驚愕! 1時間に1本しか走ってないのです。

東京23区内の主要駅(上石神井は急行が停車するので主要駅だと思っている)において、
1時間に1本ずつしか出ていないバスがある、というのは驚きでした。

ただし・・・・・・。
時刻を確認したところ、次のバスは5分後だと判明! ミラクル!
きっかり5分待っていると、「みどりバス」がやってきました。
「みどりバス」は小ぶりのコミュニティバスでした。

JAあおば駅で下車すると、左手に石神井小学校が見えてきます。
地図上では、左折してすぐだったはず・・・・・・。

逸る気持ちを抑えつつ歩いていると、すぐに立派な山門が目に飛び込んできました。
山門の前には、「ねりまの名木」の立て札もあります。
しかし・・・・・・。

道場寺
道場寺

「道場寺!?」
お寺の名前が違います。改めて地図を確認すると、目的地の三宝寺のお隣にあるお寺でした。
桜がとても美しかったので、少しだけ寄り道することにしました。

  • 鐘楼。右が河津桜、左が寒緋桜。
    鐘楼。右が河津桜、左が寒緋桜。
  • まるで万華鏡のような美しさでした!
    まるで万華鏡のような美しさでした!

道成寺を出て、さらに進むと、すぐに「三宝寺」と書かれた石碑が見えてきました。

三宝寺
三宝寺

ネット検索より、お寺散策!

パッと見る限り、とても大きなお寺であることは間違いありません。
早速参道に足を踏み入れて、ハッとしました。
右側に、お地蔵様がいらっしゃったからです。
しかも、「交通安全地蔵尊」の文字!

これぞまさしく探し求めていたお地蔵様です!
さっそくお地蔵様に手を合わせました。

三宝寺 交通安全地蔵尊
三宝寺 交通安全地蔵尊

お寺の境内にお地蔵様が建立されている光景は、珍しくはありません。

ただし、三宝寺のお地蔵様は、最近建てられたのか、とても新しい様子でした。

御由緒の記載がないか、周辺を探しましたが、ありません。

後からお寺の方にお話を伺ったところ、
檀家さんによって奉納されたことを教えて下さいました。

大きく立派なお地蔵様を前にすると、
静かな悲しみが込み上げてきました。

交通安全地蔵尊とは?
踏切脇や交差点等など、危険個所を知らせるために建立されたり、
事故による犠牲者の慰霊のために建立されたりすることが多いようです。
交通事故の慰霊碑やモニュメントなどを見るのは辛くても、
柔和なお顔のお地蔵様でしたら、ホッと和み、そっと手を合わせることができますよね。
交通事故撲滅は、万人の願い。
実際に交通安全地蔵尊は全国各地に建立されており、
そのおかげで交通事故がなくなった、死者が出なくなったという場所もあるようです。

せっかく三宝寺まで来たので、お参りすることにしました。

◆三宝寺山門

徳川家光が狩猟に際して休憩所としたため、
「御成門」と呼ばれ庶民の通行を禁じていたそうです。
「世が世なら、通れなかった」という思いを噛みしめつつ、中へと進みます。

三宝寺 山門
三宝寺 山門

◆鐘楼

昭和48年(1973年)に建立されたもので、梵鐘は練馬区指定文化財です。
鐘楼の周囲には、梅が競うように咲き誇っていました。

三宝寺 鐘楼
三宝寺 鐘楼

◆大黒堂

大黒堂の入口に「開運出世小槌」が置かれていました。
小槌に金箔を奉納し、心願成就を願います。
「出世」という言葉に惹かれたのか、筆者の夫も真剣に手を合わせていました。

  • 大黒堂・地蔵堂
    大黒堂・地蔵堂
  • 大黒堂の中には、御守りや御御籤もありました。
    大黒堂の中には、御守りや御御籤もありました。

◆手水舎

コロナ対策として、手水舎の利用を中止している寺院は多いですよね。
柄杓が置いてあったため確認したところ、人が近づくと水が流れる仕組みになっている、
人感センサー付きの手水舎でした!
お寺の近代化にアッと驚かされました。

  • 手水舎
    手水舎
  • お線香は本堂前で購入できました。
    お線香は本堂前で購入できました。

◆本堂

三宝寺は、応永元年(1394年)、大徳権大僧都幸尊法印が開山したと伝えられています。
文明9年(1477年)、太田道灌によって当地へ移転、天正19年(1591年)には、
10石を与えられた御朱印寺でした。
木札には、「関東三十六不動霊場」「御府内霊場八十八ヶ所」と記載があります。

十一面観音像
十一面観音像

◆観音堂

観音堂には、「武蔵野三十三観音」「大東京百観音霊場」の記載があります。
色々な霊場が重なっていることが分かりますね。

◆十一面観音像

本堂から更に奥へと歩いて行くと、大きな観音様が見えました。
今回は、「交通安全祈願」をお地蔵様にお願いする目的でやってきましたが、
観音様にもお目にかかれて、とても運が良いです!

  • 観音堂
    観音堂
  • 十一面観音像
    十一面観音像

◆四国八十八ヶ所お砂踏霊場

四国八十八ヶ所については、いつかは行ってみたいと思っておりますが、
時間もお金もかかり、なかなか気軽には行けないですよね。
三宝寺の境内には、四国八十八ヶ所のお砂踏ができる場所があって、
一つ一つの石碑に御本尊が書いてありました。
四国八十八ヶ所の石碑をめぐることで、
四国八十八ヶ所を巡ったのと同様のご利益がいただけるのだそうです。
せっかくなのでトライしてみましたが、最後のほうは、階段のアップダウンが激しかったです。
冬場なので少し薄暗く、ひんやりとしていましたが、
夏は蚊が出てきそうだな、なんて思ってしまいました。

◆大師堂(奥の院)

お砂踏が終わったら、クライマックスは大師堂へのお参りです。

  • お砂踏霊場
    お砂踏霊場
  • 大師堂
    大師堂

◆長屋門

山門の東側にある長屋門は、勝海舟の邸宅にあったものを移設したそうです。

長屋門
長屋門

「目的」を取り戻すんだ。

今回は、お地蔵様へのお参りをきっかけにして、練馬の古刹「三宝寺」を拝観することができました。
やっぱり、いくらインターネットが便利になったとは言え、
自分の手足を使って見に行ってみないと分からないことも多いですね。

ただし、お地蔵様が早々に見つかったこと、三宝寺の境内が想像以上に広かったこと、
お砂踏を真剣に回ったことなど、様々な理由により、
当初の目的「交通安全祈願」が少しだけ、薄まってしまったような気も・・・・・・。反省。

帰り道、来た道を戻っていると・・・・・・!

  • 交差点に面した場所。交通安全を見守っているかのようでした。
    交差点に面した場所。交通安全を見守っているかのようでした。

道場寺の角のお地蔵様にも、「交通安全」の文字が!
そうでした、家に帰りつくまで、安全に帰らないとね!

始まる春に、人生という「旅」の安全をお祈りしつつ、
皆様も、新しい世界へ、
Bon Voyage!!

左:開運出世小槌   右上: 納経所、右下:四国八十八ヶ所お砂踏霊場案内図
左:開運出世小槌   右上: 納経所
右下:四国八十八ヶ所お砂踏霊場案内図